System 04 : tension

Date : 2016/01/20

Description :

 本作は、2台のパラレルリンクメカニズムによって機構同士を結ぶゴム紐を引っ張り合うシステムを制作した。ゴム紐に対して加わる張力を計測しており、張力に応じて機構の振る舞いと発生する音響のパラメータを決定する。マシンとマシンが紐によって接続され、相手の振る舞いによって自己の振る舞いを変化させることで、システム論におけるキーワードの一つでもある相互作用性を強く想起させるようなイメージを目指している。タイトルの"Tension"には、マシンを接続するゴム紐自体が持つ張力と、均衡が保たれたシステムの中に立ち現れる緊張感のようなものという二つの意味を込めた。

 作品の支持体にはアルミフレームを使用し、300mmx300mmx2000mmのサイズで制作。装置が上下で向かい合ってゴム紐を引っ張り合う。スピーカーは指向性を作らないよう3方向に発声する筐体を制作し、アルミフレーム内部に設置した。

上下のアームは自分にかかる張力を一定範囲に保つよう調整を行う。アームが動き出すタイミングは内部で同期を取っており同時に動き出すが、次に相手の装置がどのような振る舞いを見せるかは把握していない。相手の現在の位置を元に張力を調整しようとするが、その次のタイミングでは互いに動き合うのですれ違いのような振る舞いを見せる。互いの振る舞いを把握した場合では一定の張力にすぐ収束してしまうが、未定義の情報を作り出し、すれ違いを起こさせることで動的な関係性が生まれる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です